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彼のターゲットはグース、私の永遠のターゲットは”せなの背中”     from California


by millaya
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アメリカの医療保険事情

もう7日目、やっと7日目。
なんだかこの1週間の事はやっぱりどっか異次元で、忘れられないような、なんだか何もハッキリ覚えていないような.....



普段の日にもお友達が見舞いに来てくれた。とってもありがたい。

友人に連絡して、親に連絡して、どうやら当分動けないようなので、早めに来てもらう事になりそうだ。
流石に長期になるとせーちゃんにも負担になってくるので心配だ。


少し、周りもなんとなく見渡すことが出来るようになってきた?
昨日ドクターと話しをしていて、”こうなったら入院生活を執筆して本を出すんだ!”
などっと言われて、”ああ、デザイナーやってるよりいいかもね。”
なんて私も冗談で返したのだけど、今日になって、この大量の時間、生産的な事も少しはしないと、と、週末に持ってきてもらったラップトップを開けた。

でもその前にと、友達に持ってきて貰った日本のバラエティー、1年前の正月の物だったけど、ちょっと楽しんだ。


 さてさて、いざ文字を打とうとするとなんとも不便な事に気づく。そりゃそうだ、基本は寝た姿勢。
そして私の短い腕。ムムムと一瞬考えて、取り合えず、ほんの少しだけベットを起こして、突き出しになってる食事用のテーブルに置いたラップトップに手を伸ばしてみた。キーボードが見えない姿勢で、ちょっと打ってみる。が、やっぱりスラスラとはいかなくて、文字盤の突起をいちいち探して、しょっちゅう間違える度に体の代わりにPCを持ち上げる羽目になる。

駄目だこりゃ。自分のタイプ能力を恨むばかりだが、次はベットをもうちょっと起こしてキーボードが僅かに目線の下なるように置いてみる。文字がハッキリ見えるわけではないけれど、それでも全然いい。でも体勢がな......。と思っていると案の定、お腹が少し苦しく思えてビビッてベットの角度を下下げたら、やっぱり全く見えない訳で、結構視覚に頼っていた事を再認識させられてがっかり。

そうだ、自分が駄目ならPCに角度が付けばいい訳だ。と、思い直して間に挟むものを探す。
と言っても殆どチョイスは無い。CDケースを後ろに挟んで3センチほど上げただけでも全然いい。
お腹に落ちたら洒落にならないので、場所を考えて引き寄せた。
ベットに突き出せる楽譜を置くようなものがあったらいいのに。なんでもある世の中だから、多分寝たきりの人の為のそんな医療器具があるに違いない。ここには無いけど。....と、思うけど。


 アメリカの保険料の高さは世界に知られるところだが、そのCo-pay、所謂自己負担額の設定の複雑さもかなりのものだ。なんってったって殆ど、皆の読まない分厚い取り扱い説明書同然の扱いで、自分の大まかな主要設定額すら、把握出来ている人は少ないと思う。強いては検査どころか薬の種類一つ一つとっても違っているのだから、把握出来るはずが無い。

だいたい、どういう根拠でそれらが決まっているのかも、考えてみたらとっても疑問だ。
本当に高いものもあるのかもしれないが、もしかしたら?もしかしなくても日本のゼネコンもびっくりのからくりが潜んでいるのでるのでは?と疑われても仕方が無い。いやきっとあるに違いない。
 なんだかこれ以上ショックなことは聞きたくなくて、ここ2,3日気にはなっていたものの、密かに先送りしていた、入院費のCo-payを聞く為に勇気をふりしぼって保険会社に電話を掛けた。

何時ものように音声ガイダンスに向かって英語で返すが、たまに聞き返されると、自分の発音の悪さを機械に指摘されたようで無性に腹が立つ、何時もは立ち向かって、クリアーしていく勝利気分を味わうのだが、今日は1回の指摘で挫けた。気力も無いので、大人しく言われたとおりにプッシュボタンを押して目的のところまでたどり着く。が、物凄く基本の情報しか言わないふざけた機械。結局人を呼び出した。
 ”入院の私のCo-payは幾らですか?”と聞いてみると、ちょっと調べて、”1日$500(\50、000前後)ですね。”
と、癖の無い発音で女の人が答えるではないか。
......?はああ?思わず聞き返しても同じ事を言う。
え!?って $500×7=$3,500 !?3ヶ月でいったいいくらいになるんだ?
ここで納得している場合じゃない。
”そ、それって1週間とかでも変わらないんですか?”きっと私の声は上ずっていたに違いない。
”調べるので少し待って下さい。”待たされている間、せっかく覚悟を決めつつあるのに、これじゃ家に戻ってナニー、お手伝いを頼んだ方が断然安い、いや待てよ、親にも早めに来て貰わなければ?絶望感が頭をぐるぐる回していると、さっきの人が戻ってきて、
”最初の3日は$500で、後はCo-payはありません。”とたんたんと言うではないか。
またもやもう一度聞きなおした上に、念のため言い換えて”じゃ$1500払った後は、1週間でも、1ヶ月でも無料なんですね?”セール品でもあるまいし、と自分で突っ込みを入れながらしっかり確認をしてやっと安心した。
なにそれ、最初からそう言ってよね。私のストレスをどうしてくれようと、無機質な女に少々腹がたったのだった。
あービックリした。破産が過ぎった朝であった。
by millaya | 2010-01-26 06:14